残された人たち、あるいは、猫の不思議体験。
2015年5月6日 日常最初の猫との時は、何もかもわからなかった。
冷たくなること、固くなること、
遺体をどうしたらいいのか?
最初の猫は、妻になついていた。
この猫が死んで、残された人がいつまでも、そこに思いがとどまることをおそれた。
きちんと別れて、また歩み出せることが大事だ。
所詮猫だ。
所詮猫なんだ。
ホームページでいろいろ探して、
火葬して合同の墓に入れてくれるところを見つけた。
オプションはいろいろあるけれど、
お骨も拾わず、骨壺も持って帰らないプランにした。
早くお別れして欲しかった。
あれから、二年。
春の命日にドライブがてら行ったりしてた。
ちょうどいいかんじだ。
最初の猫は、朝に死んだ。
何をしたらいいのかもわからなかったので、
たったか調べて、その日のうちに、すべてを終えた。
今回は、3時半。
もう、いまから何も出来ない。
今夜はお通夜になる。
息子も仕事で夜にならないと帰らない。
ちょうどいい。
死体をなでる。
文字で書くと変態だな。などと考えながら、
それでも、いつまでも、なでている。
長毛種は、背中をなでるのが気持ちいい。
この感覚が、もう味わえなくなる。
そのつらさを、和らげたい。
夜。
弟猫が上の階から降りてきた。
遺体を見ている。
振り返る。
階段を見ている。
何か居るのかと階段を確かめてみるが、なにもない。
猫は遺体をもう一度見る。
不思議そうな顔をする。
振り返り、階段をみる。
目を見張って、不思議そうな顔をする。
臨終の時の、疑問に満ちた目だ。
あっちを見、こっちを見、
なんどかそれを繰り返し、
なにか、納得した風で、
階段の方へ去って行った。
来ているのだろうか?
いや、まだ、いってないのだろうか?
気配がある。
足下をすっと白い影がよぎる。
残された人たちは、欠落を埋めようとする。
その過程の心理状態だと、心理学的には説明できるんだろう。
一晩、妻といろんな話をして、泣いた。
最初の猫のこと、この猫のこと、
いろんな出来事、笑い話。
通夜というのは、心を埋めてくれる。
最初の猫の時も、あせらず、あわてず、通夜をすれば良かった。
13年も一緒に居るものが去ることは、やはり欠落が大きい。
ゆっくりと、心を慣らしてゆく時間が必要だ。
申し訳ないことをした。
わたしたちも、猫を飼うスキルがまたひとつ上がった。
その夜は、みんな猫と一緒に寝た。
朝、
着替えに寝室に行った。
弟猫が居た。
だいじょうぶか?と声を掛け座った。
弟猫は、わたしの左側をじっと、見た。
なんだろうと、見る。
なにもない。
あぐらをかいて座る。
ここにおいで。とあぐらをトントンとたたく。
弟猫は、また、私の左側を見、
何かを追いかけるように
その目線が、すーっと、私のあぐらへと動いた。
居るのか?
居てるのか?
オレの膝の上に、いま、座っているのか?
いつもように座っているのか?
なにも、感じない。
なにも、触れない。
泣いた。
いいなぁ、おまえには見えるのか。
おれには、見えないよ。
冷たくなること、固くなること、
遺体をどうしたらいいのか?
最初の猫は、妻になついていた。
この猫が死んで、残された人がいつまでも、そこに思いがとどまることをおそれた。
きちんと別れて、また歩み出せることが大事だ。
所詮猫だ。
所詮猫なんだ。
ホームページでいろいろ探して、
火葬して合同の墓に入れてくれるところを見つけた。
オプションはいろいろあるけれど、
お骨も拾わず、骨壺も持って帰らないプランにした。
早くお別れして欲しかった。
あれから、二年。
春の命日にドライブがてら行ったりしてた。
ちょうどいいかんじだ。
最初の猫は、朝に死んだ。
何をしたらいいのかもわからなかったので、
たったか調べて、その日のうちに、すべてを終えた。
今回は、3時半。
もう、いまから何も出来ない。
今夜はお通夜になる。
息子も仕事で夜にならないと帰らない。
ちょうどいい。
死体をなでる。
文字で書くと変態だな。などと考えながら、
それでも、いつまでも、なでている。
長毛種は、背中をなでるのが気持ちいい。
この感覚が、もう味わえなくなる。
そのつらさを、和らげたい。
夜。
弟猫が上の階から降りてきた。
遺体を見ている。
振り返る。
階段を見ている。
何か居るのかと階段を確かめてみるが、なにもない。
猫は遺体をもう一度見る。
不思議そうな顔をする。
振り返り、階段をみる。
目を見張って、不思議そうな顔をする。
臨終の時の、疑問に満ちた目だ。
あっちを見、こっちを見、
なんどかそれを繰り返し、
なにか、納得した風で、
階段の方へ去って行った。
来ているのだろうか?
いや、まだ、いってないのだろうか?
気配がある。
足下をすっと白い影がよぎる。
残された人たちは、欠落を埋めようとする。
その過程の心理状態だと、心理学的には説明できるんだろう。
一晩、妻といろんな話をして、泣いた。
最初の猫のこと、この猫のこと、
いろんな出来事、笑い話。
通夜というのは、心を埋めてくれる。
最初の猫の時も、あせらず、あわてず、通夜をすれば良かった。
13年も一緒に居るものが去ることは、やはり欠落が大きい。
ゆっくりと、心を慣らしてゆく時間が必要だ。
申し訳ないことをした。
わたしたちも、猫を飼うスキルがまたひとつ上がった。
その夜は、みんな猫と一緒に寝た。
朝、
着替えに寝室に行った。
弟猫が居た。
だいじょうぶか?と声を掛け座った。
弟猫は、わたしの左側をじっと、見た。
なんだろうと、見る。
なにもない。
あぐらをかいて座る。
ここにおいで。とあぐらをトントンとたたく。
弟猫は、また、私の左側を見、
何かを追いかけるように
その目線が、すーっと、私のあぐらへと動いた。
居るのか?
居てるのか?
オレの膝の上に、いま、座っているのか?
いつもように座っているのか?
なにも、感じない。
なにも、触れない。
泣いた。
いいなぁ、おまえには見えるのか。
おれには、見えないよ。
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