「ガンジー」のリチャード・アッテンボロー作品。

TSUTAYAが100円だし、いつも300円使ってるんだから、今週は2枚借りてもいいか程度の期待感。
予備知識ゼロ。リチャード・アッテンボローとTSUTAYAの名作だけで借りるなんて100円だからできる所業。

いや、おもしろかった。得した。

オープニングはアートしすぎてて鼻に付くなと思っていたけど、その皮肉さは伝えたい内容のためにある。
戦争中に民衆が歌っていた替え歌を集め、それを歌曲のプロに歌わせる。
戦争が始まるところから、志願兵の勧誘、快進撃と美しいミュージカルが綴られる。
そして、戦争の膠着、塹壕戦、消耗戦、厭戦歌。状況は悪くなり続けるのに、厭戦歌は美しいハーモニーと陽気な編曲で皮肉はいや増す。

返す時間が迫って仕事しながらさっさと見ちゃえって見出したのに最後まで集中してみてしまいました。

やっぱ、すごい監督は、昔からすごい。

これ、調査期間どれぐらいかかったんだろう。
替え歌の収集、選別、配列、編曲。それだけですごい労力だ。

そして、このファンタジックで美しいセット。
生と死という最も生臭いものを、極端に形式化美化したビジュアルで描くことで、戦争の非現実性を浮き立たせ、戦争=究極の無駄を見せつけられる。

あー、びっくりした。

ロング・グッドバイといい、素晴らしき戦争といい、昔の作品は反骨魂が半端ない。
今の映画の方が、見た目はすごいんだけど、売れなくても良いっていう覚悟はどっか行っちゃいましたね。
ファンドで映画撮るようになった最大の弊害だね。

利益重視のファンドには、冒険映画は作れても、映画の冒険は出来ない。ってことかな。
私たちは、フィクションの冒険は観れても、冒険に立ち会うことは出来なくなった。

つまんない世の中だ。


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