赤めだか

2011年12月6日 読書
立川談春が談志に入門してから、二ツ目になるまでを描いた自伝エッセイ。
2008年講談社エッセイ賞受賞。

読みやすく面白い。一日で読了。
談志のひねくれよう。真っ正直すぎる生硬な性格。揺らぐ心。赦す心。すべての人の善かれと思う心。お門違いの噴門。親心。
まるで落語の世界そのままの人物達。

面白かった。

18歳で入門してきた談春に、「俺も君と同じ想いを持って小さんに入門した。小さんは引き受けてくれた。自分が育ててもらった以上、僕も弟子を育てにゃならんのですよ。」この言葉が痛かった。突き刺さった。
子供が私学に通うようになって、いかに私学の学費がきついものかよく分かった。
親は払ってくれた。おれも払わねばならぬ。
子供が就活の時期だ。将来をどう考えているのか、ちゃんと考えているのか心配だ。
自分の過去を振り返ると、こんな心配をかけていたのだと思う。
プレッシャーをかけることもなく、ただ、見守ってくれた。
私も見守らねばならぬ。

ただ、会社を起こした時、若い衆を雇わなかった。
責任を背負わず、楽な方に逃げた。

談志の言葉は、わたしの心に突き刺さる。

世代を越えて支払わねばならぬ、借金を、恩を、私たちは産まれながらに背負っている。

自分一人が生きていけば、なんの迷惑もかけていない。なんて、ただの甘えだ。
この社会の形を作ってきてくれた人たちがいるから、私たちは生きている。
私も、ここまでの人生で、借金もかなり返せてきたと思う。
死ぬまでに、この社会に、1mmでも役立てればいいなぁ。と思う。

人を雇って、育てる。
んー、談志は売れっ子で儲かってるから、こんなカッコいいこと言えるんだよなー。
ドカンと儲からないものかね。ほんと。

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