芝浜

2011年7月10日 映画
落語なんて子供の頃当たり前にテレビでやっていた。
好きだけど、その程度。
題を言われても、どんな話かわかるなんて、有名どころ2・3だけ。
「寿限無」「時そば」そんなもんだ。

立川談志がすごいと言われて、もう10年も前にDVDセットを買ったが
1枚聞いてほったらかし。

やっぱり、わざわざ聞くには面倒くさい芸である。

特に談志は落語の合間に語りが入り、よりめんどくさい。
なにがいいんだか、まったくわからない。


そんなまま十数年。
今、立川談志の弟子、談春がとんでもなく良いと聞く。
大阪で独演会がある。
行きたいな。とは思うものの、腰が重い。
売り切れたようだ。
ひょっとしたら、終わったのかもしれない。

めんどくさいので、DVDを買った。
行くより安い。
談志談春親子会。伝説の歌舞伎座公演だそうだ。

そして、買ったまま、数ヶ月。

こないだ、はじめて、聞いた。

談春の「芝浜」。
初めて聞く話。
涙が出た。

「芝浜」いい話だ。

下げがどうなるのか、とってもハラハラして聞いた。
これも夢ではないのか、どこまでが夢なのか、どう終わるのか。
下げなんて、噺家次第でどうにでも変わる。
下げ次第で人物像も根底から変わってしまう。
全部夢になっちゃったらどうしよう。ドキドキハラハラして、
下げを聞いたとたん、「この終わり方にしてくれて、ありがとうございます」とテレビ画面にお礼を言ってしまった。

それぐらい、登場人物の事が好きになっちゃったんだろう。

人間、出会いというものはある。一期一会。
自分自身を振り返り、だらだらと儲かっていた時期が終わり、商売を立て直そうにも、自分自身が腐っていることを実感しているってぇ時に聞いたから、ストンと落ちたんだと思う。


ここから、私の「芝浜」の旅が始まってしまった。(仕事しろよ!)


「芝浜」は談志の十八番というのが定説らしい。
それを、よりによって親子会で、談志が途中下座した後、弟子の談春がトリでやるか!
てな話が、おまけDVDに入っていた。

はてさて、談志の「芝浜」はそれほどすばらしいのだろうか?
さっきの談春の「芝浜」より素晴らしいのなら観てみたい。

家に眠っている談志のDVDボックスを取り出してみた。

立川談志 古典落語特選 DVD-BOX
http://www.amazon.co.jp/%E7%AB%8B%E5%B7%9D%E8%AB%87%E5%BF%97-%E5%8F%A4%E5%85%B8%E8%90%BD%E8%AA%9E%E7%89%B9%E9%81%B8-DVD-BOX/dp/B00009SEQQ/ref=sr_1_1?s=dvd&ie=UTF8&qid=1310277763&sr=1-1

3枚目に「芝浜」が入っていた。

なんだろう、やっぱり初恋は忘れられないっていうんだろうか。
登場する魚屋もおかみさんも別人で、談春に出てくる人の方が好きだ。

うーん、よくわからん、
談志が素晴らしいから、談春も素晴らしいのか。
それとも、もともと「芝浜」が良いのか。

談志は、「芝浜」を変えた。といわれているらしい。
談春は変わった後の「芝浜」をより変えてゆく。
ならば、本家本元を聞かねば、談志のすごさはわからないはずだ。

というか、
そもそも談志なんてどこがいいのか、私には全くわからないままなのだ。

談志をバカにしながら、
バカにする自分がバカじゃないのかと
不安で追いかけているのだ。

そして、本家本元、桂三木助の「芝浜」を買う。

「芝浜/御神酒徳利」 桂三木助(三代目)
http://www.amazon.co.jp/%E8%8A%9D%E6%B5%9C-%E5%BE%A1%E7%A5%9E%E9%85%92%E5%BE%B3%E5%88%A9-%E6%A1%82%E4%B8%89%E6%9C%A8%E5%8A%A9-%E4%B8%89%E4%BB%A3%E7%9B%AE/dp/B00005EO0G/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1310278161&sr=8-1
昭和29年NHKラジオの録音だ。

もっと、飲めや歌えの部分があると聞いていたのに、ほぼ、談志の話とかわらない。
もちろん、時代が時代なので、淡々と事は進む。
あれほどの感情移入がなされ、一人芝居と言っていいほどの演じ方などかけらもない。

やはり談志はわからないままだ。

さて、桂三木助の「芝浜」を探していると、立川談志、2007年の「芝浜」が神だ。という情報が入ってくる。

私が聞いたのは2001年の「芝浜」。

2007年のは、持っていない。
調べると、アマゾンで売っている。

談志大全 (上) DVD-BOX 立川談志 古典落語ライブ 2001~2007
http://www.amazon.co.jp/%E8%AB%87%E5%BF%97%E5%A4%A7%E5%85%A8-DVD-BOX-%E7%AB%8B%E5%B7%9D%E8%AB%87%E5%BF%97-%E5%8F%A4%E5%85%B8%E8%90%BD%E8%AA%9E%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96-2001~2007/dp/B0039M6OYW/ref=sr_1_2?s=dvd&ie=UTF8&qid=1310277763&sr=1-2

10枚組4万円。中古でも3万2千円。
こ、これは、手を出せない。


しかたがないので、
本で研究してみる。

「この落語家を聴け! いま、観ておきたい噺家51人」 広瀬 和生
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%93%E3%81%AE%E8%90%BD%E8%AA%9E%E5%AE%B6%E3%82%92%E8%81%B4%E3%81%91-%E3%81%84%E3%81%BE%E3%80%81%E8%A6%B3%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%84%E5%99%BA%E5%AE%B651%E4%BA%BA-%E5%BA%83%E7%80%AC-%E5%92%8C%E7%94%9F/dp/4757215207/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1310278835&sr=1-2

ああ、だめだ。2007年の「芝浜」は本当にすごそうだ。

ぽち。








うん、すごい。
一席3万円でも金を出すよ。


でもまぁ、ここまで、「芝浜」通になったから、すごいのであって、
これ、初めて聞く客は、どうなんだろう???
ともおもう。


落語通って、こんな楽しみ方をしているんだなぁ。
ということが、やっとわかった。

そういう意味で、談志のすばらしさもわかった。



そして、この日記、見てない人にはちんぷんかんぷんだと思う。
すまない。


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