原子力に反対するために
反原子力の観点から、スマートグリッドや分散発電がかまびすしい。

家庭の電気は家庭で作る。電気の地産地消という考え方だ。


宮田秀明:震災を「塞翁が馬」にする方法(BPnet)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20110408/266317/

しかし、この考え方は一般消費者観点からは正しいけれど、反原子力には到底ならない。

前にも出し、ここにも再度掲出した、あのグラフが根拠だ。

元グラフは経済産業省資源エネルギー庁のホームページにあった。
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2006EnergyHTML/html/i1240000.html

この、9時から5時まで、ぐぐっと上がる電力消費は、どう考えても家庭の電力とは無関係だ。
すべて、経済活動に使われる電力だと考えるべきだ。

工場はすべて電気で動いている。

自前の発電装置を運用するより、電気を買った方が安く付く。だから電気で工場を動かしている。
そのために、原子力発電所がある。

個人がいくら節電しても、「あんた、ばかぁ?」である。


企業の原理は単純だ。
コストが安ければ、そちらを使う。

以前提案した、「電力会社の分割」をしたとしても、一般ユーザーは高くてもクリーンな電力会社を選ぶかもしれないが、企業はとにかく安い電力を買う。

つまり、原子力は生き続ける。


今日、管総理が「被害の補償は第一義的には、東京電力の責任でありますけども、最終的には適切な補償が行われるよう政府が責任を持たなければならないと考えております。」と会見をしていたが、関西電力他、全国の電力会社はこれで「原子力発電事故の補償費用は政府持ち」という担保を得たようなものだ。

こんな費用も、原子力発電のコストに計上しなくては、反原子力の流れには到底ならない。
安い電力という妄想を取り払わなければならない。

そして、「原子力は高い」という前提条件を確保した上で、「それよりも安い電力は何か」と問わなければならない。


具体的には、各電力会社が原発周辺20km内の土地を全て買い上げ、住民全員への賠償金を支払えるだけの準備金を積み立てさせる。
これを10年以内に積み立てさせ、そのコストを電力料金に計上させる。

また、耐用年数の厳格化を行い、廃炉を促進する。
中間燃料保管施設や地層処分に関しても、全て電力会社負担とする。
地層処分場の確保、自治体への交渉、地権者への説得、これら全てを電力会社の負担とする。

税金の投入は一切認めない。

すべて、電力料金のコストでまかなう。


そのために、一般市民は、何ができるのか?

そんなとこらへんまで考えて、しんどくなった。



それでも、きっと、新しい原子炉がないと、日本産業は立ちゆかなくなるんだろうなぁ。
ならば、せめて、中間燃料保管施設や地層処分施設は、もっと早くキチンと作ろうよ。
危険な燃料プールに規定量の1.5倍の使用済み燃料棒を置いておくなんて止めようよ。
すべて、「反核」の市民運動が強すぎて起こっている事態だよ。



大前研一が言うように、福島を廃炉にした跡地を燃料保管施設にするのが一番よいのかもしれない。
どうせ、みんなから嫌がられる土地になってしまうんだろうから。


原発推進派は「更地」にして、忘れさせたい。
原発反対派は「石棺」にして、記念碑を作りたい。

さて、どちらが最終形になるか、綱引きはどうなるのか。
この基準、覚えておきたい。


コメント

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2011年4月18日18:59

 とりあえず、「企業の工場の屋根上には必ず太陽電池!」とか……
 「階段(人力)発電」必置! とか……

「省電力+企業内自家発電(自給自足)」の方策を、
 地道に前向きに考えましょうよ……

 h(^^;)”” だめ?いぢめる??

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