散髪屋のにいちゃんに誘われてエントリーしたが、制限2時間半のまじめな大会。
正直自信がない。
ギリギリで入れそうだが、「余裕でイケるっしょ」と言われるとやはり若いスリムなスポーツマンには余裕なんだな。俺なんて…。などと思い憂鬱。
練習をする気も失せるというものだ。

てなわけで、数ヶ月走ってないまま、当日を迎える。
水泳は続けているものの、カーボローディングも荷物の準備もせず。ここんところあれやこれやで昼夜逆転。睡眠不足で、「もう、ブッチしようかな」と8割ぐらい思っていた。
でもここでブッチしたら、また散髪屋を探さなければならなくなる。
ああ、そういえば、あのにいちゃんが走り出したのは俺のせいだ。
初めてのレースはハーフだよと言ったのも俺だ。
うーん。

気づくと会場にいた。

一万人の大会。結構でかい。
ガーミンはバッテリー切れ。
ipodのレシーバー忘れ。
丸裸のような状態でスタート。
案の定1時間あたりでヤマがくる。
こりゃ確実にぶっ倒れるな。と経験が叫ぶ。
東京マラソンですれちがった松村が頭をよぎる。
武庫川を上り始める坂道ですべてをあきらめた。
「後ろから車が来たら素直に乗ろう」と。
とにかくペースダウン。俺は死ねない。まだ死なない。
走りながら体調を整える。
とにかく走り続ける。この状態で歩いたら、もうなにもかも放り出してしまいそうだ。
足を止めない事だけに神経を集中させる。
死なない。生き続ける。今はそれが大事だ。

体調を整えたいのに、飴玉も持って来てない。もちろんカロリーメイトもあるわけない。
真面目な大会は、給水はあるけど給食がない。飴玉さえない。
10キロのゴールを過ぎたあたりで前後にランナーはいなくなる。
折り返しのランナーが現れる。
後ろに数人は居てるはずだが…。

散髪屋のにいちゃんとすれ違う。
写真を撮る。
もう、やる事は終わった。リタイヤでいいじゃないか。
なのに辞めどきが見つからない。
絶不調のヤマも越した。

ダラダラと走って居たら、後ろから女性に声をかけられた。「最後尾」のゼッケンだ。
「あー、やっと追いついた。さっきリタイヤした人から3キロ走って来たんですよ」
そうか、後ろの人達はリタイヤしたか。
「黒飴食べます?」ありがたい!燃料さえあればかなり違う。
しゃべっているだけでも元気になるが、燃料は物理的にガツンと来る。
前を見ると、一人じいさんが歩いている。
あれを抜かせば最後尾でなくなる。
こちらも走っているとはいえ歩いてる爺さんとの速度差は微々たるもの。イモムシがナメクジを追い抜くような感じ。1キロぐらいかかってやっと追い越す。
残り9キロはずっとそんな調子。4人ぐらい抜いたと思う。

結果、3時間15分。
初めて歩かなかったレースとなった。
自分としては大きな進歩なのだが、世間的には迷惑なだけの参加ランナーでしかない。
筋肉痛がたまらん。マメが出来なかったのも初めてかもしれない。






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