今年は松茸が豊作らしい。

キノコというのは、「花」なんだそうだ。
菌類として土中にいるのが自然体で、
繁殖をする時に「花」であるキノコを生やす。
「種」である胞子をばらまけば、キノコはしぼんでしまう。

土中で7年暮らすセミと似ている。
あれも幼虫が自然体で、成虫は花のようなものだ。
土中の生活を見下して考える人間の浅薄さが「幼虫」と言わしめているだけだ。

「花」は生殖器である。

アウシュビッツを引き合いに出すまでもなく
生命体は身の危険を感じた時、生殖活動を行おうとする。

今年の夏は暑かった。
松茸も真剣にやぱいと感じ、
花をたくさん咲かそうと準備をした。
ちょうど準備が整った秋に気温がぐっと下がって
キノコが生えるのにちょうどいい温度になった。
そんなわけで、今年は松茸が豊作なのだそうだ。

おいしい土瓶蒸しが安く食えそうだ。




植物を育てていると、「やばい時に花が咲く」というのは実感できる。
「あ、枯らしたかな」「お、まだ生きてた」なんて時に、花が咲く。
枝を切り戻さないと咲かない植物も居るし、
水を切らしていじめ抜かないと咲かないのもいる。

なんてことを演繹していると
人間もそうなのかな?と考えた。

日本は少子化だ。
生活が安定すればするほど、少子化してゆき
政情が不安定であればあるほど多産なのではないか?
アフリカではバンバン産んでバンバン死んでいる。

いやいや、まてまて、それはいささか乱暴だ。
フランスの出産率が上がったのは
楽に産み、楽に育てられるような社会支援があったからだ。

日本の少子化は、子育て環境が劣悪なだけだ。
「好きで産んだんでしょ。勝手に育てなさいよ」
子を設けた時、社会制度のそんな声が実感として聞こえてきて身に沁みた。
戦前の人は、その上「国家のために子供を差し出しなさい」と言われたんだよな。
国は何もしてくれない。取り上げるだけだ。
あまりに理不尽で「国家なんて要らない」と言いたくなる。
たぶん、戦前も戦後も変わりなく「為政者なんてそんなもん」なんだろう。
あの実感は一生ぬぐい去れない。

もちろん、これは20年も前の話で
その後バブルもはじけ、子供が育てられない世帯が増え
子育て支援の補助金はかなり出るようになった。
今は昔の話である。

現在はどちらかというと、マスメディアの世論形成で、「子持ちのおばさんは格好悪い」というイメージの方が、若い女の子にとっては大問題なんだろうけどね。
お腹が出ないように胎児が小さい内に早めに帝王切開&無痛分娩が理想らしい。はぁ…。

脱線した。


てなわけで松茸豊作からでた結論をまとめる。

少子化対策をするならば、
子育て環境を良くして、親世代を死ぬような目に合わせると
子供をたくさん産むだろう。

松茸ひとつの話題だけで
こんな馬鹿な事を延々考えてにやにやしていた。

馬鹿だよなぁ。おれ。

コメント

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2010年11月2日12:58

>「国家なんて要らない」

 同感ですが。(^^;)

>子育て環境を良くして、親世代を死ぬような目に合わせる

 それはちょっと両立しがたい条件だと思う……。

 人間は本来「多情多産」(年中発情の「ねずみ算」タイプ)なんだから、えさをたっぷり与えて、いじめないほうが、たくさん産んでたくさん育てるんですよ……

 むしろ、生物学的に言うなら、「産んだ子が死なないような安全すぎる社会体制」のほうが、「数が増えすぎる」から、問題になっちゃうわけで……
 (^^;)……★

 高度経済成長の爆発的ベビーブームで都市部の人口密度が増えすぎちゃったので、今は一時的に(反動で)出生率が下がりすぎてるだけ……だと思います……(政府の無策と愚策が、これ以上、続かなければ……ね★)

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