尊敬できる仕事

2010年3月17日 日常
検察が腐敗しているなんて記事を目にして、思い出した。
書いたのかどうか忘れちゃったので、二度目ならごめんなさい。

夜、帰宅時、家の近くの踏切。
バイクに乗って、開いている踏切を渡る。
警笛は鳴っていない。

子供のころじいさんが怒っていたのを思い出す。
 「踏切でちゃんと止まってるのに、ケーカンが止めよる。
『ちゃんと足も付きましたで』ってゆーたら、『靴の底見せてみぃ。ほら、ちゃんと止まってたら、こんなにすり減ってない』、アホかおもたから『貧乏やから減ってますねん』ゆーたった。ホンマ腹んたつ!お前も踏切ではちゃんと止まりや、あんな事で切符切られたらかなわんわ!」

以前、免許書の更新時講習で言われた言葉も思い出す。
「このあいだ、踏切の横でお茶を飲みながら、キチンと一旦停止しているか見てたんですよ。90%以上の人が正しく踏切を渡っていない。みなさんも、教習所で習った事をもう一度思い出してくださいね。」
はてさて、この人は何の事を言っているんだろう?
私は、踏切では、一旦停止をしている。
教習所で習っててやってないのは、「窓を開けて、踏切の音も確かめる」である。
そのことかな?いや、「ローギアに入れる」かな?
それとも、やはり「一旦停止」自体の事だろうか………?


あまり知られていない事だが、踏切で一旦停止するのは、日本と韓国だけである。
アメリカ人に一旦停止を言うと、「エンジンの状態を変化させるのはより危険だ。故障の可能性が増える。一番危険な事は踏切内で停止する事だ。危険なところはよりスピードを出して速やかに渡りきるべきだ。」と言い返される。

いったいなぜ日本だけ「一旦停止」なのだろうか?
それほどまでに、日本の踏切は故障しやすいのだろうか?
踏切が故障していたために自動車と列車が衝突したという事故は、まだ一件も報告されていないと聞く。

踏切での一旦停止をやめると、エコ効果も上がるし、交通渋滞も緩和されるという報告もある。

考え方の基準が「自己責任」なのか「お上の言う事は正しい」なのか。理由は、そのあたりだろう。
正しくある事は、非常にストレスを強いる。

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踏切を渡るだけで、そんなこんなが去来する。
それでも私は日本人なので、バイクで一旦停止する。
左足を道路にこすりつける。
クリア。
渡りはじめる。
頭の中が踏切モードから運転モードに切り替わる。
踏切の先、道路の安全確認を開始する。
と、
渡りきったところ、電柱の暗がりに人の影が見える。
飛び出されたら、こっちが困る。
踏み切りの中であるにもかかわらず、ブレーキをかけスピードを落とす。

渡りきって、人影が確認できた。
警察官である。
2名居る。
踏切で一旦停止違反がないか、電柱の陰に隠れて見張っているのだ。

信号が赤になった。
バイクを止めた。
赤にならなければいいのに…。

ヘルメットのシールドを開ける。
「おまわりさーん。なにかあったんですかー?」
声をかけてしまった…。
「あん?」気の良い若い方が返事をする。「悪い事する人がいないかみはってるんや」
「へーえ、そんな暗がりに隠れて!尊敬できますねぇ!私には真似出来ませんわ。」
私の声はかなり荒げていたので、どういう意味かは伝わったと思う。
若い警官は、何も言い返さずじまいだった。

信号が青になった。
バイクを再び走らせた。

その後、その場所で警察官を見た事は、今のところ、ない。

たぶん、私のナンバープレートは控えられているだろう。

「お上のする事に間違いはない」

無意識に出た言葉、尊敬できる仕事。自分自身にも降りかかってくる言葉である。

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