観てから読んでみて、
映画は公式ファンムービーなんだなぁ。と感じた。

それほどに、原作は圧倒的力を持っている。

もちろん、たぶん作者は
核となるトリックを思いつき、
そのトリックを必要とする状況を想定し、
その状況から逆算した特異なキャラクターを産みだしたのであろう。

推理小説とはそういうものだ。

しかし、
ある意味トリッキーな世界は、
現実世界のある面を見事に切り裂いている。

力のある作家だと言わざるを得ない。

この作品に関して言えば、
映画を観ることは、小説を壊すことはないと思う。
実存する場所を小説通りに緻密なロケを行っているので、
面倒くさい状況描写をストンと読むことが出来た。

東京のとある場所の情景描写を映像で観ておけることは、
東京以外に住んでいる大多数の読者にとってありがたいことである。

堤真一がすばらしいと感じた映画であったが、
小説を読んでしまうと、ファンムービーだったんだなぁと感じるのみである。

留置所で四色問題をやるシーンは、映像表現としてすばらしいと思ったが、
「私はこんな映像を思い浮かべたんです~」とファンが述べているだけだったのかなぁ。
などと感じてしまう。

高校の先輩、直木賞おめでとう。
私もなにかでがんばらなければ。

  

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