食品偽装?

2008年3月23日
下関のふぐは、下関港から出荷されたふぐを下関産という。
これは、すでに常識になりつつある。
三重県で取れたふぐを下関に運び下関港から出荷する。
そういう常識である。

海は広い、三重県の漁師さんがふぐを釣って、
延々下関まで航海して、下関港で水揚げすれば、高い値段で売れてガソリン代ぐらい元が取れる。
それだと時間がかかるので、自分のトラックで下関港まで運ぶ。
自分のトラックだと効率が悪いので、漁師仲間でトラックを仕立てる。

これが常識である。

もちろん浜名湖のウナギも同様である。

この問題の何が一番悪いのか。

消費者がブランド志向で、味音痴だ。と言うことである。
下関産というだけで高く売れるからこんな事が起こるのである。

こういうことは、日本だけの問題ではなさそうだ。
ワインの品評会でもフランス産よりカリフォルニアワインの方が美味しいという結果が出ているのに、フランス産ワインの方が高いという現実を見ると、世界中で「ブランド信仰」という悲しい性ははびこっているってわけだ。

もちろん、私たちは忙しいんだから、今どこのワインがうまいかとか、いまどこのふぐがうまいかなんて調べている暇はない。

だったら、もう少し謙虚に、美味しいと言われたものを美味しく食べれば良いんじゃないのかなぁ。

そういえば、こんな話を聞いた。
日本で消費されているタマネギの1/5が輸入品だという。
でもスーパーで輸入タマネギなんて売っているところを見たことがない。
ああ、これは外食産業はぜんぶ輸入品なんだな。と納得していると、もっと不穏な話を聞いた。

タマネギなんかを輸入するときは燻蒸が必須だ。
国外の害虫が日本で繁殖したらたいへんなことになる。
その燻蒸作業を取材しに行ったひとの話だ。
燻蒸作業が終わって出てきた箱を撮影しようとすると、箱には、「淡○島産たまねぎ」と書かれていたそうだ。
もちろん国内産のたまねぎを燻蒸する必要などどこにもない。

○路島JAで出荷したタマネギは、輸入品でも淡○島産なんだろうか?
これは、下関のふぐと同じで良いんだろうか?

でも、淡路島産と食べ比べても見分けられないぐらい品質が良くなった中国産たまねぎを中国産として売れない日本という国もどうなんだろう?

中国だからダメ。なんて完全な差別である。
中国でも一生懸命働いている農家の人は居る。
もちろん、とんでもなくだめなやつもいっぱい居る。
そんな人たちを一緒くたに「中国だからダメ」というのは、絶対に間違っている。

タマネギの場合は、日本人業者がクロだと断定して良かろう。
そういう悪い奴らが「中国人のせいだ」と吹聴しているのかもしれない。
もちろん、たぶん犯罪としては立証出来ないんだと思う。
そもそも産地とは何か?と言う問題にまで至る。

国産牛は、日本国内で3ヶ月以上育てた牛だ。
アメリカで冷凍保存された黒毛和牛の精子を
オーストラリアの雌黒毛和牛に人工授精させ、
生まれた子供を育て、食べ頃になると生きたまま日本に運ぶ。
船旅で3kgほどやせるので関税が安く付くそうだ。
日本の牧場で3ヶ月育てるとやせた分が取り戻せる。
そして、「国産牛」として売られる。
ちなみに純国産は「和牛」という。
オージービーフは、向こうで食肉加工したものの事だ。(…輸送費分エコじゃん。)

この辺は、Wikipediaにも載っている常識だ。

「日本で三ヶ月育てた牛を国産牛という。」という決まり自体が産地偽装ではないのか?
そんな法律を決める事は犯罪ではないらしい。

法律を違反する事が犯罪なんだから、産地偽装は法律違反でもなく犯罪でもないのだ。

まったくもって、消費者不在である。

この辺は農林族議員達が決めた事だ。
武部さんとかそのへんのヤカラである。

本当に美味しいものを作った人に感謝して、安心して食べられる世の中になれば良いのになぁ。と思う。

そのためには、消費者は何をすればよいのだろう?

まず、ブランド信仰を棄てるべきなのだろうか?
味覚を研ぎ澄ませばいいのだろうか?
「国産牛」と「和牛」の違いを知っていればいいのだろうか?
政治を裏読みし続ければいいのだろうか?
スーパーでも経営しなきゃいけないのだろうか?

「今晩のおかずを何にするのか問題」と並ぶほど、難しい問題である。

  

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