小説

2002年8月18日
その日直感的に、自分が猫なんだと気づいた。

ものごころ付いたときから、この家で暮らしていた。
お母さんのベッドで眠っていたし、お兄ちゃんは、遊んでくれる。
お父さんは、ときどき怖いけど、きちんと色んな事を教えてくれた。

僕はこの家の一員であり、人間とか猫とか関係なく生きてきた。

昨日、この家に、子猫が来た。

うちの家族ではなく、お母さんたちとは姿の異なる、この生き物は、なんとも奇妙であり、そして、自分にそっくりだ。

ショックだった。
自分は、猫だったんだ・・・。

その日、直感的に、私は女なんだと理解した。

夢見る乙女じゃないけれど、女優になれるかもしれないし、歌手になれるかもしれない。
すてきな王子様はぜったい現れるし、幸せな家庭になって当然だ。

女優や歌手は、降って落ちては来なかったけど、それなりの旦那も現れた。
家庭を大事にする女優って言うのもいいかもね。

股の間から体液が流れ出し、激痛に苦しむ。
私の目の前に出現したのは、ぬるぬるの小猿のような我が子であった。

私は、女だったのだ。
小説の主人公ではなかったのだ。

・・・・・
こんな子供が生まれるからいけないんだ・・。


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